- Story -
診療所へ戻った先生は、さっそくセリアの腕の治療を開始した。

幸い、鮮やかな切断面は接合手術に適していたが、後遺症が残る可能性は高い。しかし、インクには何か秘策があるらしく、先生は完治させることを大前提に細心の注意を払って慎重に接合していった。

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手術は2時間ほどで終わった。先生は精一杯やったが、結局は骨と筋肉をずれないように接合し、固定処置をしただけであって、それ以上のことは出来なかった。ところが、インクは先生の手際の良さに関心し、満足そうにしている。

インク「医者ってすげーな。腕をくっつけるって魔法でもそうそう出来ないぜ。」

先生「ありがとうございます。でも、これは接合しただけであって… その…」

インク「ケケッ、これで充分だぜ。後はオレ様に任せなっ! ケッケッケ。」

先生「はぁ…」
インクは敢えて説明しなかったが、インクと契約したセリアは半魔状態であり、主人のインクを守るために人間よりも遙かに高い治癒能力を備えていた。さすがに切断された腕を生やすことは出来ないが、接合部の再生ならば時間はかかるが可能なのだ。

先生「でもまだ油断は出来ませんのよ。感染症や壊死の可能性もありますから、当分ここで経過を見させいただきますわ。」

インク「んー、それはセリア次第だなぁ。コイツってお尋ね者だし。」

先生「そうですわね… では、一先ず休憩してお茶にしましょう。セリアさんはもうすぐ気がつかれるはずですわ。皆で何か良い方法を考えましょう。」



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アニー「……」

アニーは診療所へ着くとすぐに自分を拘束させ、暗い診療室に閉じこもっていた。

先生を言葉巧みに誘い出し、躊躇無くノロマに捧げてしまった自分が許せなかった。ノロマに命令されると善悪の区別も無く実行してしまう自身が信用できず、この先、自分が何をしてしまうのか、心底恐ろしくて仕方がない。その証拠に、今もノロマを求める気持ちが心の奥から消えてはいないのだ。

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先生「アニーさん、お茶が入りましたわよ。さぁ、縄を解きますわね。」

アニー「いや、このままでいい。それであの… セリアの腕は…」

先生「えぇ、上手く接合出来ましたわよ。わたくし名医なのかもしれませんわねー。ほほほ。」

明るく振る舞ってくれる先生の優しさが辛い。もしセリアたちが来てくれなければ、今頃先生はノロマの洞窟で苗床にされていた。いや、実際に先生はノロマに陵辱されてしまった。すべてアニーの責任なのだ。

アニー「先生… すまなかった… 本当に… 申し訳ないことをしてしまった…」

肩を震わせて涙を流すアニー。

アニー「やはり私は… どこへ行っても… 疫病神なんだ…」

先生「いいえ、アニーさんは何も悪くありませんわよ。ただ利用されただけですわ。」

アニー「でも先生はヤツに… ノロマに…」

先生「アニーさん、ここで貴女が挫けたらあのオークに負けたことになりますのよ。」

先生「こう考えて下さい。わたくしはね、貴女と一緒にあのオークと戦ったのです。私と貴女が今ここにいるということは、まだあのオークに負けていないということですわ。」

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先生「わたくしなら平気ですわよ。今度あのオークに遭ったらガツンとゲンコツしてやりますわ。」
アニー「先生…」

アニーは先生の言葉に救われる思いがした。これ以上、被害者の先生に自分を気遣わせるわけにはいかない。

アニー「ありがとう先生… でも、私はこの件から手を引こうと思うんだ。」

先生「えぇ?」

アニー「私はまだヤツの洗脳にかかったままだ。いつ他の人に危害を加えるようになるか自分でもわからない。」

アニー「夜が明けたら私は自警団に出頭するよ。それにオークに加担したのは事実だし、罪は罪として裁かれるべきだ。」

先生「そんな… アニーさんに責任はないと言ったでしょう?」

黙ったままうつむくアニーの心情を先生は察した。アニーは自分が許せず、自分を罰したいのだ。今は何を言っても無駄かもしれない。

先生「わかりましたわ… とにかく、今は休んで下さい。朝が来たら考えましょう。夜中に考え事をしても良い答えは出ませんのよ。」

アニー「……」

インク「センセーッ! セリアが起きたぞー!」

台所からインクの声が聞こえた。先生はアニーの肩をそっと触れるとセリアのところへ向かった。

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インク「セリアァ… 心配させやがってコノヤロォ…」
セリア「え… ここは…」

先生「ここはわたくしの診療所ですわ。もう大丈夫ですわよ。腕は手当てしましたが、まだ動かさないで下さいね。」

セリア「腕… あっ! インクッ! リナはっ? 連れ戻してくれたっ!?」

インク「無茶言うなよ。オマエを連れて戻るだけで精一杯だったぜ。」

セリア「クソッ、じゃぁ今すぐ連れ戻しに行こ… っ痛ぇぇぇぇぇっ!」

飛び起きようとしたセリアが腕の激痛に悲鳴をあげた。

先生「ひぃぃっ! セリアさんっ、動いてはダメって言ってるでしょうっ!」

驚いた先生が慌ててセリアをテーブルへ押さえ付けた。

セリア「くぅぅぅっ、でも… リナが… あの子を放っておけないんだっ。クソッ!」

先生「貴女、今動いたら本当に腕を失いますわよっ! それに出血も酷いんですから絶対安静ですっ、どうか落ち着いて下さいっ!」

セリア「クソッ… じゃぁ、インクッ! アンタが行ってくれっ。せめて居場所だけでも突き止めてっ!」

インク「無理。一体、オレ様に何が出来…」 

セリア「インクッ! 私の言うことを聞けよっ! 今ならまだ…」

インク「ンモー」 


ちゅぅぅぅっ!
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インク「バハハホーッ!(バカヤローッ!)」
セリア「うわぁぁぁっ!」

突然、インクがセリアの胸に吸い付いた。

セリア「ちょっ、オマエッ! こんな時に何してんだよっ! ぶっ飛ばすぞっ!」

インクはちゅぽんと胸から離れると、セリアの顔を見つめて話しかけた。

インク「落ち着けセリア。焦って動いたら余計面倒なことになるぞ。」

セリア「えっ、でもっ…」

インク「よく考えろ。どうせアイツも大して動けないって。オマエもアイツも少し頭を冷やした方がいいぜ。」

セリア「だって… いや… そ、そうね。うん、わかった… わかったから離れろバカッ。」

インクの行動とその言葉に、セリアは自分が取り乱していることに気が付いた。

すると先生が困惑した表情でためらいながら2人に話しかけた。

先生「あ、あのぉ… 宜しければ… そちらの事情を、お聞かせいただけませんか?」
先生「わたくしに何かお手伝い出来ることがあるかもしれませんわ。」

インクとセリアは驚いた様子で顔を見合わせ、そのまま黙ってしまった。そして小声で相談し始めた。

インク「どうする? どうせもう色々見られたし聞かれたし… いいんじゃね?」
セリア「うぅ… でも… うぅーん… じゃぁ、少しだけ…」

セリア「はぁ… でも、どこから話せばいいのか…」


セリアはしばらく考え込むと、意を決したように口を開いた。

セリア「あの魔物ってさ… アイツは私の大切な親友で、元々は人間だったんだ。」

セリア「彼女の名前はリナ。リナ・レッドリーフってんだ。」

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先生「えぇっ!?」
アニー「おいっ! 待ってくれっ! その話、私にも聞かせてくれっ!」

アニーが驚いた様子で奥から飛び出してきた。

そして、セリアはこれまでの出来事を頭の中で整理しながらゆっくりと話し始めた。



これ以上は詰め込みすぎになってしまう気がしたので、一度ここで区切ることにします。
なので全13回、もしくは全14回になりそうです。
今回のストーリーの締め部分は、変に端折ってしまうと、
後から(例えばエロの最中にw)補足説明することになりかねないので、
地味展開の今のうちにしっかり盛り込んでやっておきます。

セリアの腕はチート技ではありますが、無事に治ることになりました。
ヒロインの身体は頑丈に越したことはありませんからね(*´д`*)
手術室が無くて、まさかの台所&食卓での処置になりましたwが、
田舎の診療所ならではの醍醐味ということでw

ただ、セリアの腕切断シーンに関しては、不快に思われた方がおられまして、
私の方も配慮が足らなかったと反省しております。今回はあまりに突然でしたしね。

なので、今後は出血だけでは済まないような過激な残酷表現がある場合は
冒頭で警告するようにします。もし1枚目が残酷描写の場合は1枚目を警告画像にします。
Pixivも同様で、さらにR18G指定やタグにも気をつけます。

ですが、今後、自分の作品の方向性を変えるようなことは考えておりません。
大切なのは事前に「見る・見ない・心の準備をして見る」の判断を
閲覧者様にしていただけるようにすることだと思いました。

では、そういうことで、宜しくお願い致します。
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コメント
この記事へのコメント
?(´◕ω◕`)?
ヒロピンで、剣と魔法の世界で、腕が切断されるシーンって・・・
普通じゃね?(´◕ω◕`)?
 
R-18Gの作品なんか、腕どころか首がもげたりハラワタぶちまけたり真っ二つになってたりが普通ですし・・・
 
まあ、軽いグロ表現ということで。゚゚(´◕ω◕`)b
 
 
セリアの腕も、インクの話なら大丈夫そうだし♪
いきなりセリアパイにむしゃぶりつき悪態をつくインクが、可愛かった♪
 
リナとアニーの関係が、語られるパートが・・・
とても楽しみです♪゚+(0゚・∀・) +ワクテカ+
2018/11/15(木) | URL | へぼっち [ 編集] #Ayc/EPBQ


ここはやはり
アニーたんの心は先生が埋めてあげないとねっ♪ セリりんの腕はそういやそういう設定の娘だったんでもう心配しないw つか、インクがちゃんと役割を果たしているのが嬉しいな☆ 腕切断はそりゃびっくりしたけど、その思い切った展開に驚いたのであって行為自体は寧ろ必要だし。G注意の表示で十分でしょ~
2018/11/15(木) | URL | kuro [ 編集] #-


お久しぶりにお邪魔します
いつもながらの「おっぱいの質感」に惚れ惚れですぅ。

ところで・・・・
別に実写でもあるまいし。
3DCGとはいえ、マキシモさんの作風は相当マンガ的にデフォルメや誇張表現されていると思います。
それで腕が切れたからと言って、そんなに警告表現の有無で騒ぐほどのグロさかいな、と思いました。
最近は無菌室・温室育ちの人が多いんだなと驚くばかりです。
マキシモさん、事前に断るにしても「血が出ます」の一言で良いんじゃない?

ま、脳みそ露出しようが目ン玉えぐろうが内臓引っ張り出そうが、全く警告無しに絵を掲載しておいて「嫌なら見るな」というスタンスの私が言っちゃ身も蓋も無いのでしょうけど(苦笑
2018/11/15(木) | URL | にゃん [ 編集] #cwHBdaMk


Re:へぼっち様へ
Pixivとダブルコメントありがとうございます!(・∀・)

ほっこりしたエッチファンタジーな回もあって、終始そういう感じだと
勘違いしてしまう方がいるかもしれないし、そもそも○○耐性は人それぞれだから
あくまで作者の判断で警告を入れていきます、ということです。

私だってお気に入りのエロヒロインが突然私の苦手なシチュ(例:ス○トロ関係)に走ったら
悲鳴をあげてそっとじするだろうし、そういう趣味は否定しないけど心の準備はさせてほしいなとw
つまりそういうことなんだと思います。

おっぱいチューは無理矢理感がありましたが、目の前にドーンとさらけ出されてるのに
むしゃぶりつかない淫魔なんかいませんw よくあの一口で我慢したと褒めてあげたいw
2018/11/16(金) | URL | マキシモ [ 編集] #SGu2SoTg


Re:kuro様へ
コメントありがとうございます!(・∀・)

先生の母性愛ですべて解決!お腹ぷよぷよだけど!(゚∀゚)
でも先生は受けなので、そこまで思い切った積極さはないのであったw

インクは、本当はもっと先生に恐がらせて壁を作りたかったのですけど、
そんな描写を入れていたら長引くばかりなので、一気に仲良くさせました。
しかも結構いいコンビになりそうなのが怖い~(゚∀゚;A)
2018/11/16(金) | URL | マキシモ [ 編集] #SGu2SoTg


Re:にゃん様へ
コメントありがとうございます!(・∀・)

今回の警告文については、別に私は誰かから直接苦情や指図をもらったわけでもないし、
作品に対する批判を受けたわけでもなく、個人的なやり取りの中で勝手に意図を汲み取って
「今後は警告を入れよう」と思っただけの話なんです(゚∀゚;A)
その警告も冒頭に一言のみです。

だから私は自分の作品の方向性は変えませんし、それこそにゃんさんと同じく「嫌なら見るな」のスタンスです。
それって作家として大前提だと思います。

ただ、本編後書きにも書きましたが、「見る・見ない」の他に「心の準備をして見る」という選択肢があれば
私自身はありがたいので、自分で実践してみようと思いました。

もっとも、「苦手なシチュ」なんて人それぞれだからキリがありませんので、
私の独断でヤバそうだと感じるシチュに警告文を入れていくつもりです。
例えば、私がCG集でよくやる出産シチュなんかは完全アウトで要警告文ですねw

それはさておき、今回は私が自主的に警告文を入れていくだけで良かったのに、
後書きであれこれ説明して勝手に大騒ぎしてしまったようです(゚∀゚;A)
2018/11/16(金) | URL | マキシモ [ 編集] #SGu2SoTg


そういえばアニーもリナのこと知ってたっけか……
新しいPCが届いたゴタゴタで一週間近くチェックできないでいたら、その間に2話も更新されていたとは……不覚ッ!(゚д゚)

そしてすっかり忘れていましたが、アニーも以前リナに会ったことありましたっけね……あれ気の所為だったかな?
あとで確認してきます(´д`;)
そしてインクは静止の動作すらセクハラという安定感。

グロ的、ゴア的表現は既にいくつかコメントされているようですが、やはり冒頭にただ一言そえるだけで十分だと思いますよ。
これまでのマキシモさんのCG集を見てきた人なら手足の2,3本ちぎれとんでも耐性がついているはず(ぁ
2018/11/21(水) | URL | 二万マイル [ 編集] #-


Re:二万マイル様へ
コメントありがとうございます!(・∀・)

おお、結局PCを新調されたのですね。おめでとうございます!
環境の再現には手間暇がかかりますけど、不調のPCをドキドキして使う不安を考えると
思い切って新PCに移行する方がスッキリしてイイと思います(*´д`*)

アニーとリナは一応面識があったのですよ。リナはほぼ気絶してましたがw
以前のストーリーは私も今回読み返したのですけど、
仕込んだ伏線や設定をいくつか忘れてしまっていました…(゚ω゚;A)
でもまー、エロには影響しないからいいか(=∀=)
2018/11/21(水) | URL | マキシモ [ 編集] #SGu2SoTg


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